【すべては自己催眠】
それまでは催眠による効果は催眠術師や催眠家の暗示によるものと考えられていましたが、 すべての催眠は自己催眠であるとエミール・クーエは考え、催眠の新しい見解を持ち研究を 進め、いくつかの暗示の法則を定義しました。
【心理学】
催眠は意識とは何か別の作用を示唆していましたが、心理学は19世紀末に生まれ、最初は 「意識の学」としてスタートしました。 心理学が催眠と出会うのは、心理学が意識を捨てたあと行動主義心理学が主流となってから となります。
【現代催眠療法の源流】
1959年にアメリカ医学協会で催眠療法が認められるまでの間、ミルトン・エリクソンは 現代催眠療法の基礎作りに貢献し、その独特な催眠スタイルは催眠誘導を伴わない催眠暗示 として現在にも受け継がれています。 18世紀のメスメルが動物磁気による治療を始めてから20世紀半ばまで、催眠は決して 正しく評価されることはありませんでした。 しかし第2次世界大戦後に、催眠治療で多数の戦争神経症患者が短期間のうちに治癒された ことから催眠の地位は向上して世間に認められるようになります。
【催眠研究】
1940年代後半にイギリスに催眠医学者協会が、続いてアメリカにも臨床実験催眠学会が 設立され、定期的に機関紙を出すようになります。 1955年にはイギリス医学会が医療における催眠の有用性を認定し、1958年には国際 臨床実験催眠学会が発足します。 その2年後にもニューヨークで第1回国際催眠学会会議が開催されるなど、催眠研究の輪は しだいに国際的な展開をはじます。 古くから人々は潜在意識が優位になった状態で癒しを与えることにより、何かしらの効果が あると考え、様々な時代の学者が研究を重ね、形を変えて今日に定着しているのです。